AIに中古品の値付けを任せてみた
最近のAI、かなり優秀ですよね。
中古品の値付けも、もう任せてしまっていいんじゃないか。
そう思って、自分の値付けの手順をClaudeに渡してみました。
例えば、モンスターハンターのエスピナスのぬいぐるみ。
僕が5,500円で仕入れて、14,800円で売った商品です。
この商品をClaudeの自作スキルで調べてもらうと、出品の初値は16,800円という回答になりました。

過去に売れた価格をそのまま答えるだけでなく、今の在庫状況なども考えて、少し高いところから置く。
僕が普段やっている値付けに近いです。
これなら実戦でも使えそうだなと思いました。
ただ、ここで一つ疑問が出てきます。
自分のノウハウを詰め込んだスキルだから、よくできているように感じているだけかもしれません。
普通にGPTへ写真を渡すだけでも、同じくらい、あるいはもっといい回答が出るのでは。
そこで、自作スキルを使うClaudeと、専用の値付け手順を渡していないGPTを比べてみることにしました。
先に感想を言うと、最初の比較ではGPTがかなり優勢でした。
早いし、使えそうな回答が多い。
ただ、あとから比較条件に大きな問題が見つかりました。
その訂正も含めて、今回は書いておきます。
第1章 今回の検証条件
実際に扱った商品で値付けを比べる
最初の16商品の比較には、僕が実際に仕入れたり売ったりした商品を使いました。
アニメグッズ、家電、調理器具、セット商品などです。
実際に売れた価格と、AIが提示する価格や売り方を比べます。
写真から商品を特定できるか、状態を読み取れるか、その価格をつける根拠はどうか。
仕入れるか見送るかという回答も確認しました。
もっとも、実売とぴったり同じ値段を答えたら正解、という見方はしていません。
僕自身、最初は高めに置いて様子を見ます。
すぐ売りたいときには下げますし、売れたあとに「もう少し高くてもよかったかな」と思う商品もあります。
実売は答え合わせの材料ですが、それだけで最適な価格が決まるわけではありません。
AIが出した初値、値下げできる幅、状態や需要の見方まで含めて、僕なら使える回答かどうかを見ています。
Claudeの自作スキルに入れた判断手順
Claudeに渡したスキルは、僕が普段やっているリサーチや値付けの手順をまとめたものです。
ざっくり言うと、次のようなことをさせています。
- 商品名や型番、セットの内容を特定する。
- 売れた履歴を調べ、状態や付属品が近いものと比べる。
- 国内だけでなく、商品によっては海外の需要も確認する。
- 高めに置く価格と、下げていく場合の価格を分ける。
- 売れるまでの見込みや、送料・手数料を引いた利益も考える。
過去に僕が利益を取った商品の実例も参照できるようにしています。
「この商品は安い履歴しか見つからないけれど、似たタイプの商品には海外需要があった」といった引き出しを持たせるためです。
なお、スキルは検証中にも修正しています。
最初から最後まで同じ版で試した、厳密な性能試験ではありません。
後半のCSM戦極ドライバーと魔弾キーでは、Claude側が海外の実売を取得できないまま回答していました。
当時、僕はこれでは検証の前提が崩れていると指摘しています。
その2件の価格と実売も資料として残していますが、スキル本来の性能を比較できた結果としては扱いません。
GPTの利用条件と比較する項目
最初の比較では、GPTはChatGPT Plusで、思考量を高くして使いました。
基本的には商品写真を渡し、必要に応じて状態などを補足しています。
商品によっては追加の質問もしました。
このときは、自分で値付けのフローを渡していないので、素のGPTとの比較だと思っていました。
ここが、あとで訂正することになった部分です。
比べたかったのは、細かな点数以上に実際の使いやすさです。
値付けに使えるか、見落としがないか、店頭で待てる時間で返ってくるか。
時間については、GPTの思考時間の表示と、Claudeの調査や追加のやり取りを含む時間が混ざっています。
「何倍速い」と言える測り方ではないので、待って使ったときの感覚と、個別の記録を分けて読んでください。
記事をまとめるにあたり、2026年10月2日に4商品をGPTだけで追加検証しました。
こちらは写真ではなく、商品名・店頭価格・状態を文字で伝えています。
過去の実売価格は伝えていません。
最初の16商品とは条件が違うので、商品一覧の17〜20番に分けて載せています。
第2章 最初の比較ではGPTが大部分で優勢だった
GPTは早くて使えそうな回答が多かった
最初の比較をしていたときの感想は、かなりGPTの圧勝でした。
とりあえず早い。
自作スキルの回答を待っている間に、GPTからは判断に使えそうな価格が返ってきます。
しかも、単に安い履歴を拾っているだけではなく、僕が考えたことと近い理由で値段をつける商品もありました。
例えば、フラット・エスカルドスのアクリルスタンドです。
僕は660円で仕入れて、5,000円で販売しました。
すぐに売れた商品です。
同じ商品の履歴が見つかりにくく、僕も値付けに苦労しました。
キャラクターの人気が上がっていることや、近い商品の価格を参考にして、5,000円をつけています。
GPTの回答は、初値5,480円、着地4,500〜5,300円。
実売に近いだけでなく、キャラクターの需要や近い商品の価格から考えていた点もよかったです。
専用の手順を渡していないつもりだったので、「そこまで考えるのか」と思いました。

この例のGPTの思考表示は3分49秒。
Claudeの記録は、追加のやり取りを含めて6分38秒でした。
開始と終了の条件が違うので厳密な速度比較には使えませんが、使っていてGPTのほうが軽く感じた理由の一つです。
最初の比較では、8割がた使えそうだな、という感触がありました。
これは僕の体感です。
正答率80%という意味ではありません。
自作スキルが拾っていた価値と売り方
一方で、Claudeの自作スキルにもよかったところがあります。
冒頭のエスピナスは、その一例です。
実売14,800円に対して、自作スキルの初値は16,800円。
GPTは追加で確認したあとも8,980〜9,980円という出品案だったので、ここは自作スキルのほうが僕の値付けに近かったです。
ビタクラフトの未使用ミニパンセットでも、GPTが低い価格をもとに見送りを勧めたのに対し、自作スキルは未使用の条件を反映した価格を出しました。
この商品について、僕は自作スキルを85点と評価しています。
過去の利益商品をもとに類推したり、海外需要を確認しようとしたりするので、価値を見落とさないための引き出しはあります。
僕の感覚では、外さない確率もそこそこでした。
また、「いくらで売れるか」だけで終わらず、どの価格から置いて、どこまで下げられるか、どれくらい待つかまで考えてくれます。
値下げの余地を持って出す僕のやり方には合っています。
ただ、調べることが増える分、遅い。
店頭で一商品ずつ相談するとなると、この差はけっこう大きいです。
値付けのために時間をかけてスキルを作った身としては、GPTの手軽さは少し複雑でした。
第3章 値付けを任せられる範囲と苦手な商品
商品を選んだ後の値付けは任せやすい
最初の比較の段階では、商品を一つ選んだあとの値付けは、かなり任せられると思いました。
同じ商品の売れた履歴がある。
型番や商品名を特定できる。
状態の違いも伝えられる。
こういう商品なら、価格を考えるための材料をかなり集めてくれます。
僕の感覚では、中古せどりの中級者くらいの値付け精度はあるんじゃないか、と思ったほどです。
普段の実践なら、普通のGPTで十二分ではないかと。
ただ、この評価には後述するメモリの影響が含まれていた可能性があります。
また、苦手な商品もはっきりありました。
埋もれた履歴や近い商品の選び方には弱さが残る
両方が外した例として、シャフト原画展の化物語のアクリルスタンドがあります。
暦・忍・メメが描かれたキービジュアルの商品です。
僕は1,650円で仕入れて、20,000円で売りました。

ところがGPTは、強気でも1,480円、標準で1,180〜1,280円という回答でした。
今回の商品の価値を捉えられていません。
自作スキルのほうも、商品を十分に特定できず、値段の幅を出せませんでした。
スキル内にこの商品の過去実例があっても、写真の商品と結びつかなければ役に立たないんですね。
こういう商品の難しさは、検索して履歴が出たら終わり、というところにありません。
履歴が埋もれているなら、検索語や調べる場所を変えて探す必要があります。
それでも同じものが見つからないときには、何を比較相手にするかを考えないといけません。
僕はこの商品で、作品の人気、原画展の商品であること、絵柄や登場キャラクター、流通の少なさなどを見ています。
近い例として、まどか☆マギカの未開封アクスタが25,000円で売れた過去の例も参考にしました。
ただし、同じ商品というわけではないので、状態や条件の差も考える必要があります。
そのときに見つかった安い履歴だけで止まらず、どの商品から価値を類推するか。
執拗に調べないと見つからない商品や、この比較相手の選び方には、まだ弱さを感じました。

未使用という条件を価格へ十分に反映しないこともある
もう一つ、気になったのがビタクラフトのミニパンセット、No.2800です。

調理器具は使用品と未使用品で、価格の見方がかなり変わります。
今回のものは未使用でしたが、GPTは低い価格の履歴をもとに、仕入れを見送る回答を出しました。
未使用だと伝えても、同じやり取りでは判断が変わりにくかったです。
別のチャットでは条件付きの仕入れ判断と、着地14,500〜15,000円という想定になりましたが、最初の回答をそのまま使っていたら拾えなかった商品です。
AIの中で、調理器具は使用品というイメージが強かったのかもしれません。
原因を確認したわけではありませんが、未使用という補足が価格へ十分に反映されないのは気になりました。
この商品では、Claudeの自作スキルは初値18,500円、着地15,000〜17,000円という回答を出しています。
こちらは僕の評価では85点でした。
未使用に弱かったのは、この例ではGPT側です。
状態の補足がちゃんと価格に反映された商品もあります。
何でも状態を見落とすわけではないのですが、伝えたから大丈夫、と決めつけるのはまだ難しそうです。
利益商品を棚から見つけられるかは未検証
では、差額を取れそうな商品を見つけるところまで任せられるのか。
ここは、今回の比較では検証していません。
選んだ商品の写真を渡して値付けするのと、リサイクルショップの棚全体を撮って、その中から利益商品を見つけるのでは、必要な判断が違います。
僕の印象では、棚の中の細かな商品を画像から見分ける使い方には、まだ苦労しそうです。
ただ、実際に試して確かめた結論ではありません。
本のように、タイトルから商品を特定できるものなら、また違うかもしれません。
写真の細部から商品を当てる負担が減るので、本せどりとは相性がいいのかも、と思いました。
これも今のところは予想です。
値付けができることと、仕入れる商品を見つけられることは、分けて考えています。
第4章 素のGPTだと思っていたがメモリが有効だった
最初の比較に普段のやり取りが影響していた可能性
ここまで書いたところで、今回の検証には大きな欠陥がありました。
素のGPTとして試していたのですが、メモリをオフにしていなかったらしいんです。
僕からその都度、値付けのフローを提示していなくても、普段のやり取りが回答に影響していた可能性があります。
つまり、専用の指示を何も持たないGPTと、自作スキルを持つClaudeを比べていた、とは言えません。
僕が日ごろ使っていたGPTの回答がよかった、という結果だったわけです。
こちらが毎回説明しなくても、ある程度僕の手順に沿って調べていたとしたら、それはそれで賢いとは思います。
ただ、誰が使っても同じ状態から始まるかのように紹介するのは、条件が違いました。
メモリを切ると回答が大きく悪くなった
メモリを切った状態で、第2章のフラットのアクスタと同じ写真を渡し、「値付けして」と聞いた回答がこちらです。
| 標準 | 880円 |
| 回転重視 | 660円 |
| 少し強気 | 1,100円 |
回答では、写真のBOOKOFFの660円のシールを読み取り、店頭で売る前提で880円を勧めています。
作品名やキャラクター名は確定できない、という説明でした。
最初の比較では、同じ写真から初値5,480円、着地4,500〜5,300円を出していました。
実際には5,000円で売れた商品です。
その写真でも、今回は標準880円という回答になりました。
僕が聞きたかったのは、商品を特定して、売れた相場を調べたうえでの値付けです。
ところが、返ってきたのは見た目と店の値札からのざっくりした価格案。
最初に感じた「普通のGPTで十分」という印象は、かなり変わりました。
率直に言うと、こちらはかなり惨敗という感じです。
このあとメモリをオンにし、最初の値付け時点ではオフだったことも会話の中で伝えています。
ただし、このやり取りでは、オンにしたあとに同じ商品を値付けし直した回答までは取っていません。
僕が普段しているやり取りや値付けの手順を、ある程度踏まえていたのではないか。
そう考えると、最初の比較で出た回答が僕の考え方に近かったことにも納得できます。
別のタイミングでの回答なので、メモリだけが差の原因だと断定するところまではしていません。
最初の比較結果を、普段のやり取りがない人へそのまま当てはめられない、というのがここでの訂正です。
値付けの手順をプロンプトとして渡す
そこで、同じような調べ方を伝えられるよう、再現用のプロンプトを組んでもらいました。
有料部分に載せるのは、このプロンプトです。
実際にこの指示を渡してから、同じフラットの写真で「値付けして」と聞いたところ、今度は商品を特定し、出品4,980円、想定成約4,300〜4,800円、早売り3,980円という回答になりました。
僕が売った5,000円に近いところまで戻っています。
ただし、このプロンプトを試したチャットがメモリOFFだったことまでは確認できていません。
今回わかったのは、指示を渡したチャットではこういう回答が出た、というところです。
プロンプトだけの効果を切り分けた検証は、まだ残っています。
メモリが有効だったときの回答、メモリを切った回答、手順をプロンプトで渡す使い方は、条件を分けて考える必要があります。
プロンプトを渡せば、少なくともどのような手順で値付けしてほしいかを伝えられます。
僕の環境へ近づけるためのものですが、同じ商品に同じ価格が出ることまで保証するものではありません。
今回の「GPTが優秀だった」は、こうした条件の訂正とセットで読んでもらえたらと思います。

第5章 値付けの手間が減った今の実感
同じ条件で誰でも使えるという説明を訂正する
普通にGPTへ聞くだけで、誰でも同じようにできるかのような説明になった点は、すみませんでした。
値付けのフローをその場で渡していなかったことと、普段のやり取りの影響がないことは、同じではありませんでした。
それでも、少し手順を伝えるだけで、値付けのかなりの部分を任せられそうになってきたことは進歩だと思います。
自分のノウハウをまとめてスキルを作るのには、けっこう時間をかけました。
それと比べると、今は専用のスキルを一から作るメリットが、かなり薄くなったように感じます。
僕自身は、普段の値付けを頼めるGPTがあるなら、それで十二分だと思っています。
履歴が見つからないものや状態差が大きいものは自分で見直しますが、全部の調査を一人でやる必要は減りました。
手間が減るうれしさと新しい参加者への期待
中古せどりの面倒なところが一つ減るのは、うれしいです。
ただ、少し危機感もあります。
中古せどりという言葉を知らなくても、リサイクルショップで安そうな商品を見つけて、AIに「これ、いくらで売れそう?」
と相談できる。
そこから出品の手順を聞くこともできます。
僕らが時間をかけて調べたり覚えたりしてきたことに、ずいぶん入りやすくなったな、と思います。
まあ、商品写真を撮るのが面倒なのは変わらないのですが。
とはいえ、長年ほそぼそと中古せどりを続けている身としては、プレイヤーが少しでも増えるのはうれしいです。

過疎ゲームに新規ユーザーが入ってきたときみたいなうれしさ、というんでしょうか。
自分が遊んでいるところに新しい人が来てくれるのは、やっぱりいいものです。
まあ、余談が長くなりました。
有料部分のお品書き
ここから先には、実際に使うためのプロンプトと、今回の検証資料をまとめています。
- GPTで値付けするための再現プロンプト。
- 僕がClaudeに渡している値付けスキルのMarkdown。
こちらはおまけです。 - 実戦でAIを補助として使った例。
複数サイトの確認や、セット商品の単品価格調べなど。 - 20商品の値付け回答と比較資料。
最初の16商品の比較記録と、後日追加したGPT単独4商品の回答を収録しています。
無料部分で書いた限界や比較条件の訂正も踏まえて、使えそうなところを持っていってもらえたらと思います。
さっさの中古せどり