ブックオフでせどりというと、本棚の前でずっとバーコードを読み取っている人を思い浮かべるかもしれません。ですが、その本せどりは年々きびしくなっています。棚を一周しても利益が数十円の本しか残っていなかったり、ライバルが増えてめぼしい棚はすぐ空になったりします。周りの目が気になってリサーチしづらい、という声もよく聞きます。
そこでおすすめしたいのが、本をいったん全部スルーして、アニメグッズの棚を見ることです。缶バッジやアクリルスタンド、プライズフィギュア(クレーンゲームの景品として作られたフィギュア)といったグッズは、本ほど人の手が入っていません。ブックオフは入荷量が多く、アニメグッズの値付けまでリソースが追いつかないことがあり、相場より安いままのプレミア品が棚に混ざります。
ブックオフで利益を出すなら、いま狙うべきは本ではなくアニメグッズです。まずは、実際に利益が出た例から見ていきます。
本を見ずに仕入れた実例
「鬼滅の刃」時透無一郎のアクリルスタンド(通常棚)

| 販売価格 | 16500円 |
| 仕入れ値 | 1320円 |
| 利益率 | 80.9% |
| 利益額 | 13350円 |
きれいに整頓された通常棚で見つけた、「鬼滅の刃」ワールドツアーの時透無一郎のアクリルスタンドです。
「整頓された棚は、もう店が調べているだろう」と飛ばしていたら、この1点は拾えなかったことになります。雑多な棚だけを見ればいい、というわけではありません。
「忍たま乱太郎」善法寺伊作のマスコット(陳列前のワゴン)

| 販売価格 | 7500円 |
| 仕入れ値 | 660円 |
| 利益率 | 78.3% |
| 利益額 | 5870円 |
売り場に並べる前の商品がまとめて置かれたワゴンで見つけた、「忍たま乱太郎」の善法寺伊作のマスコット(ほわぬい)です。
入荷したばかりの商品は、まだ誰の目にもとまっていないことがあります。店に入ったら、通常棚だけでなく、こうした並ぶ前の山にも目を向ける価値があります。
「新テニスの王子様」木手永四郎の缶バッジ(雑多棚)

| 販売価格 | 3000円 |
| 仕入れ値 | 132円 |
| 利益率 | 78.3% |
| 利益額 | 2348円 |
雑多な棚で見つけた、「新テニスの王子様」木手永四郎のデコレクション缶バッジです。
利益額そのものは大きくありません。ですが、132円で仕入れて2,000円以上残るなら十分です。小資金で始めるなら、こういう商品を拾えるようになることが第一歩です。
この3つに共通しているのは、特別なアニメの知識ではありません。見た場所、値札、そして相場の確認です。順番に見ていきます。
なぜブックオフでアニメグッズを見るのか

ブックオフは「本の店」というイメージが強いかもしれません。ですが、いまのブックオフは、本やCD・DVDだけを売る店ではなくなっています。店舗によっては、フィギュア、アクリルスタンド、缶バッジ、ぬいぐるみ、トレカ、ホビー系まで、かなり広く扱うようになりました。見るべき場所そのものが、昔より増えているということです。
ところが、せどりの目線では、いまだに「ブックオフ=本」というイメージが根強く残っています。多くの人が本棚ばかりを見ていて、アニメグッズの棚は素通りされがちです。このズレが、そのまま狙い目になります。
背景には、本とアニメグッズの「相場の分かりやすさ」の違いがあります。
本は、バーコードを読めば誰でも相場が分かります。スマホひとつで仕入れ判断ができるので、初心者でも上級者でも、同じ棚を見ることになります。最近は、こうしたツールを前提に仕入れをする人もさらに増えました。棚を写真に撮るだけで利益の出そうな商品を教えてくれるものや、相場が上がった商品を一覧で見せてくれるものなど、便利なツールも出てきています。ただ、その多くは月額課金が前提で、費用も少しずつ上がってきています(相場を調べるKeepaや、バーコードを読み取るアマコードなどが代表例です)。本せどりは取り組みやすい一方で、ライバルが増え、仕入れ値は安くても固定費は意外とかさむ、という面もあります。
一方でアニメグッズは、ぱっと見ただけでは価値が分かりません。同じ缶バッジでも、通常の絵柄なのか、イベント限定なのか、人気キャラなのかで、値段は大きく変わります。相場を調べるにも「これはどのイベントのグッズか」「どのキャラか」といった背景の知識が要ります。手間がかかる分、調べる人が少なく、利益の出る商品が棚に残りやすいのです。
しかも、ブックオフのように入荷量が多い店では、アニメグッズの値付けが追いつかず、本来の相場より安い値段のまま売り場に並ぶことがあります。本棚は分かりやすいぶん競争が強く、アニメグッズ棚は分かりにくいぶん、まだ相場とのズレが残っている。だからこそ、ブックオフでは本ではなく、アニメグッズを見るわけです。
店の回り方

最初から、すべての棚を同じ熱量で見る必要はありません。ブックオフは商品数が多いので、棚を一つずつ丁寧に見ていたら、時間がいくらあっても足りません。
まず見たいのは、次の3つです。
- 新しく入った商品
- 値下げされている商品
- いつもと違う、と引っかかった商品
最初はこれで十分です。慣れてきたら、通常棚や雑多棚、ショーケースへと、見る範囲を少しずつ広げていけば大丈夫です。
新しい商品から見る
ブックオフの値札は、店舗や時期によって運用が違うことがあります。ただ、商品が新しく入ったものか、長く残っているものかは、値札の色である程度見分けられます(色の詳しい意味は、このあとの「値札の見方」で説明します)。
新しく入った商品は、まだライバルにも一般のお客さんにも見られていない可能性があります。逆に、何シーズンも前から残っている商品は、それだけ多くの人の目を通った後の可能性が高くなります。ですから、まずは新しい値札の商品から見ていくのが基本です。
いつもと違う商品だけ拾う
アニメに詳しくなくても、「これはいつもと違うな」という引っかかりは拾えます。たとえば、次のようなものです。
- 衣装がいつもと違う
- イラストが書き下ろしっぽい
- イベント名が入っている
- 台座やパーツが特殊
- サイズが大きい
- 未開封のままになっている
こういうものだけ、リサーチの対象に残します。逆に、どこにでもありそうな通常の絵柄や、数が多そうなグッズ、状態の悪いものは、どんどん飛ばします。棚の全部を調べる必要はありません。むしろ、外れを早く捨てるほうが大事です。
1個見つけたら近くを見る
お宝を1個見つけたら、その近くも見てください。同じ人がまとめて売ったグッズが、近くに並んでいることがあります。イベント帰りの一括売却や、同じジャンルのまとめ売りが入った棚に当たると、1個だけで終わらないことがあります。1個見つけたら、そこで終わらずに周辺も確認する。これだけで、取りこぼしが減ります。
見る場所

ブックオフのアニメグッズ売り場は、場所ごとに性格が違います。どこか一つだけを見ればいいというより、資金や狙いによって見る場所を変えるイメージです。
雑多棚・ワゴン
まず見たいのは、商品がごちゃっと置かれた雑多棚やワゴンです。ここは値付けが粗くなりやすく、安く仕入れられる商品が混ざることがあります。100円台や200円台で仕入れて、何倍かにして売るイメージです。実際に仕入れた商品のデータでは、この手の棚は利益率がだいたい8割くらいでした。元手が少なくて済むので、これから始める人や、資金が少なめの人に向いています。
ただし、外れも多い場所です。全部を丁寧に見るというより、値下げ札、未開封、いつもと違う絵柄、イベント名入りなどに絞って拾っていきます。
通常棚
きれいに整頓された通常棚も、飛ばさないほうがいいです。雑多棚より仕入れ値は高くなりやすいですが、そのぶん利益額の大きい商品が出ることがあります。利益率で見ると雑多棚より下がって6割くらいですが、1点あたりの利益は大きくなりやすい傾向です。
先ほどの時透無一郎のアクスタも、通常棚から出ました。「整頓されている棚は、もう店が調べているだろう」と決めつけると、大物を取り逃すことがあります。ただし、通常棚を全部見ると時間がかかるので、最初はアクスタやマスコット、限定っぽい台紙つきの商品など、見る対象を絞るのがおすすめです。
ショーケース
レジ近くの鍵付きショーケースには、店がある程度の価値を見込んだ商品が入っています。仕入れ値は高くなりやすく、利益率は4〜5割と低めですが、単価が高いぶん、1点あたりの利益が大きくなることもあります。
ショーケースの商品は、店員さんを呼んで出してもらう必要があります。このひと手間があるぶん、意外と飛ばされやすい場所でもあります。資金に余裕が出てきたら見る、くらいの位置づけで十分です。
入荷したての商品が置かれている場所(赤棚・カート)
店舗によっては、買い取ったばかりの商品や、これから売り場に出す商品が、一時的に置かれている場所があります。赤い棚やカート、ワゴンなど、形は店舗によって違います。
ここは入荷したての商品が見られる可能性がありますが、必ず店舗のルールに従ってください。触っていい場所か、購入できる商品かは、店員さんに確認したほうが安全です。先ほどの伊作のマスコットも、この並ぶ前のワゴンで見つけた一点でした。
値札の見方
値札で見るのは、主に2つです。「いつ入荷したか」と「値下げされたか」。この2つは別々の情報なので、混同しないことが大事です。
入荷時期の目安(値札の色)
ブックオフでは、値札の色で入荷時期の目安が分かる店舗があります。だいたい、次のような分かれ方です。
- 黒 … 1〜3月
- 緑 … 4〜6月
- 青 … 7〜9月
- 赤 … 10〜12月

ただし、この月を丸暗記することが目的ではありません。大事なのは、「いま店に行ったとき、その商品が新しいのか、長く残っているのか」を見分けることです。いまの季節に近い色は「補充したばかり」のサイン、何シーズンも前の色は「長く売れ残っている」サインと考えてください。なお、色の運用は店舗や時期によって変わることがあるので、あくまで目安として使ってください。
値下げ札
値下げされている商品は狙い目です。店が早く売り切りたい在庫になっているため、ネット相場とのあいだにズレが出ることがあります。見るポイントは、次のあたりです。

- 古い値札の上に、新しい値札が重ねて貼られている
(ところてんと呼ばれている) - 状態を考慮して安くなっている
- 「〜%OFF」の札がついている
特に見たいのは、状態考慮の値下げです。たとえば、外袋に傷があるだけで中身に問題がない場合、販売するときにはそこまで影響しないことがあります。その値引きぶんが、そのまま利益になることがあります。もちろん、状態の悪いものを無理に仕入れる必要はありません。大事なのは、「値下げの理由が、売るときの価格にどれくらい響くか」を見ることです。
狙うジャンル

ここからは、どのアニメグッズを狙うかを、ジャンル別にざっくり見ていきます。細かい判断基準まで書くと長くなるので、無料部分では「どんなジャンルを見るか」に絞ります。
缶バッジ
缶バッジは、これから始める人にいちばん向いた定番ジャンルです。安く仕入れられて、小さいので保管も発送も楽です。ただし、1点あたりの利益は小さめなので、数をこなすジャンルだと考えてください。
相場の感覚として、メルカリの販売済みを約9,000件分析したところ、1,000円以上で売れていた缶バッジは62.5%でした。裏を返せば、4割近くは1,000円未満でしか売れていない、ということでもあります。安く仕入れていれば1,000円未満でも利益は残りますが、何でも拾えば儲かるわけではありません。当たれば、先ほどの木手永四郎の缶バッジのように132円が3,000円になることもあります。ただ、缶バッジは見た目だけでは相場を読み切れないジャンルです。同じように見えても、どのイベントのものか、どのキャラかといった背景で、値段が大きく変わります。この背景をどう読むかが、缶バッジでは大事になります。
アクスタ(アクリルスタンド)
アクリルスタンド(通称アクスタ)は、缶バッジより単価が高くなりやすいジャンルです。商品数が缶バッジほど多すぎず、サイズや台座、衣装、絵柄の違いが見えやすいので、じつは缶バッジより見分けやすい場面も多いです。
棚で見るポイントは、次のあたりです。
- イベント限定っぽいか
- コラボや書き下ろしの絵柄か
- サイズが大きいか
- 台座やパーツが特殊か
- 人気のキャラか
先ほどの時透無一郎のアクスタも、このジャンルです。
マスコット
マスコットは、キーホルダーくらいの小さなぬいぐるみ系のグッズです。缶バッジより一撃が大きく、アクスタと同じくらい見たいジャンルです。
狙い目は、女性層に人気の高い作品やキャラです。たとえば、ブルーロック、あんさんぶるスターズ、アイドリッシュセブン、忍たま乱太郎あたりは、キャラによって価格差が出やすいです。先ほどの伊作のマスコットも、この一例です。ただし、作品名だけで仕入れるのは危険なので、必ずメルカリの販売済みで確認します。
ぬいぐるみ
ぬいぐるみは、サイズやメーカー、タグを見ます。ポケモンなどの定番ジャンルは安定していますが、流通量が多いキャラは値段が付きにくいこともあります。ピカチュウやイーブイのように数が多いキャラより、カビゴンやゲンガーなど、需要がありつつ数が多すぎないキャラのほうが見やすいことがあります。
また、メーカータグも見ます。公式品かどうか、どのメーカーか、いつ頃の商品か。このあたりで相場が変わります。
プライズフィギュア
プライズフィギュアは、クレーンゲームの景品として作られたフィギュアです。小資金で始めやすいジャンルですが、見るなら基本は未開封品です。開封済みは検品が面倒なうえ、販売価格も下がりやすいからです。
見るポイントは、次のあたりです。
- 未開封か
- 箱の状態が、販売に響くレベルか
- 利益が薄すぎないか
- 人気の作品・キャラか

利益が500円以下の薄利は、慣れるまでは無理に拾わなくていいと思います。好きな作品だから仕入れるのではなく、販売済みの相場で判断します。
具体的にアニメグッズを仕入れる方法はコチラの記事で解説しています!
今回はブックオフならではの仕入れポイントを解説してるので、仕入れやすいアニメグッズの特徴は控えめになってます!
記事の内容を組み合わせて使ってもらえれば、仕入れの視野がクリアになるかと思います!
相場の調べ方
棚の前で迷わないように、調べる順番は決めておいたほうがいいです。基本は、次の流れです。

- Googleレンズで商品を特定する
- メルカリで販売状況を「売り切れ」に絞って検索する
- 「まとめ」「セット」を除外する
- 必要ならオークファン、Amazon、駿河屋も見る
いちばん見るのは、メルカリの販売済みです。出品中の価格は売り手の希望額にすぎず、実際に売れた価格ではありません。ですから、基準にするのは「販売済み」です。
検索するときは、「まとめ」「セット」などを除外したほうがいいです。まとめ売りの価格が混ざると、単品の相場を読み間違えてしまいます。駿河屋の買取価格も参考になりますが、駿河屋だけで判断するのではなく、メルカリの販売済みとあわせて見ます。
アニメに詳しくなくてもできるのか
ここまで読んで、「思ったより手間がかかりそうだな」と感じたかもしれません。
ですが、逆に考えてみてください。その手間がかかるからこそ、少しでもアニメを知っている人には、大きなアドバンテージになります。普段アニメを見ている人なら、棚の前で「あれ、いつもと違う」という小さな違和感に気づけるからです。
たとえば、こんな引っかかりです。
- このキャラは知っているけれど、この衣装は見たことがない。→ 通常の絵柄ではなく、イベントやコラボの限定品かもしれません。
- この作品、最近アニメの続きや映画があったよね。→ 注目が集まって、相場が動いているタイミングかもしれません。
- このキャラ、作品の中でもとくに人気だよね。→ 人気のあるキャラのグッズは、ほしい人が多いぶん、高くなりやすいです。
アニメをまったく見ない人には、これらは全部「ただのアニメのグッズ」にしか見えません。違和感そのものが生まれないので、そのまま素通りしてしまいます。
一方で、普段アニメを見ている人なら、「これは何かありそうだ」と引っかかれます。覚えようとして勉強した知識ではなく、好きで見てきたアニメが、そのまま武器になるわけです。
では、まったくアニメを見ない人にはできないのか、というと、そんなことはありません。最後に仕入れるかどうかは、結局メルカリの販売済みで確かめます。ですが、棚の中から「どれを調べるか」を選ぶ段階では、あなたが今まで見てきたアニメが、しっかり効いてきます。
始める前に確認しておくこと
中古品を仕入れて繰り返し販売するには、古物商許可が必要です。地域や販売の形態によって確認すべきことが変わるので、必ず管轄の警察署や公式の情報を確認してください。申請手数料は19,000円前後、取得までの目安は40日前後とされることが多いですが、自治体や状況によって変わることがあります。「あとで取ればいい」ではなく、始める前に確認しておくのが安全です。
無料部分で分かること、有料部分でやること
ここまでで話したのは、ブックオフでアニメグッズを見るための入口です。
- 本ではなくアニメグッズを見る理由
- どの棚を見るか
- 値札のどこを見るか
- どのジャンルを触るか
- 相場をどう確認するか
ここまで分かれば、たまたま拾える確率は上がります。ただ、実際に棚の前に立つと、迷うのはここからです。
- これは通常品なのか、限定品なのか
- 販売履歴がない商品に、値段を付けていいのか
- 缶バッジは、どこを見れば高いと分かるのか
- アクスタは、何を基準にリサーチ対象へ残すのか
- プライズフィギュアの古さは、どこで見るのか
このあたりは、かなり具体的な判断基準が必要になります。有料パートでは、そこを実例つきで解説します。アクスタを1〜2割まで絞り込む3つのフィルター、利益の出やすい型、缶バッジの相場を読む要素と判断指標、プライズフィギュアの箱の古さを物理的に見抜く方法、そして販売履歴がまったく無い商品にどう値段を付けるか(1,650円で仕入れたものを20,000円と判断した実例)、さらに自分自身の失敗談まで、踏み込んで紹介します。
無料部分が「どこを見るか」だとしたら、有料部分は「どれを仕入れるか」です。ここが分かると、たまたま拾う状態から、狙って拾う状態に近づけます。
さっさの中古せどり